半農半Xという新しい生き方

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「半農半X」というライフスタイルが近年注目されています。農のある暮らしをしながら、自分が大切だと思うこと、好きな仕事をすることで収入が減少しても心豊かな暮らしをしたいという人たちからも共感を集めています。

この記事では

・農業始めたいけど農業1本で食べていくのは不安
・農業やってみたいけど他にもやりたいことがある
・農のあるくらしを今の仕事を続けながら取り入れてみたい

という観点から半農半Xのメリットデメリット兼業農家との違い、実践者の方の事例などを紹介していきます。
それでは今回の目次はこちら。

半農半X(はんのうはんえっくす)

自分自身や家族が生活する分の食糧を自給自足し、その他の時間を好きな事ややりがいのある仕事に充てるライフスタイルのことです。「X」の部分は各々の生きがいとなるようなものを当てはめます。一定の生活費を得るための手段でもいいですし、子育てや趣味など、そこに「生きがい」や「やりがい」を感じられるものであればXがどのような形であってもよいのです。

「農」と「X」の割合は?

半農半Xには「何対何」にしないといけないというような決まりや割合は一切ありません。農の割合は小さな家庭菜園でもいいですし、必ずしも「農」で収入を上げないと半農半Xにならないというわけではありません。
時間も場所もとらわれないライフスタイルが半農半Xの魅力のひとつです。

各自治体の支援も

各自治体で支援事業も始まっています。こちらは島根県の事例です。

半農半X支援事業

対象者・条件:65歳未満のUIターン者で農業+その他の仕事を目指すもの

支援内容:半農半X実践者が営農を開始する場合に必要な施設・機械等の整備に対する経費を助成
     [補助率]1/3以内(補助金上限額:100万円)
[期間] 農業経営開始3年以内

移住と離農防止の一環として各自治体が支援事業を行っています。

政府が働き方改革を発表し、その動きが広く浸透し始めたこともあり、半農半Xのライフスタイルが現実味を帯びてきました。
半農半Xが可能になればお金や時間にとらわれず、好きな事を諦めずとも農のある暮らしが可能となります。
半農半Xは京都府出身の塩見直紀(しおみ・なおき)氏が1995年頃から提唱しています。

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「兼業農家」と「半農半X」の違い

「専業農家」は主に農業だけを営んで生計を立てているのが特徴です。効率よく農業に取り組めるというメリットがある一方で収入が安定しにくいというデメリットがあります。
それでは「兼業農家」と「半農半X」ではどのような違いがあるのでしょうか。

兼業農家

農林水産省によると兼業農家とは「世帯員のなかに兼業従事者が1人以上いる農家」となっています。
つまり農業以外にも収入の柱となる仕事があること。専業農家と比べると農業に割ける労力は限られるものの、農業以外の仕事で世帯収入を安定させやすいのが特徴です。

半農半X

儲けるための農業ではなく自分自身が食べていくための農業を、別の何かと組み合わせたライフスタイル。「収入を得るために仕事をする」という考え方から脱却し、自分に必要な食料を自給しながら自身のやりたいことを追求できるというのが特徴です。

兼業農家:農業以外の仕事が別にあり、ひとつの収入の柱としている。
半農半X:農業で収入を得るというよりは自給自足しつつ普段のライフスタイルに農のある暮らしを取り入れる。

半農半Xを選択する人

では実際どのような人たちが半農半Xを選んでいるのでしょうか。

半農半Xと選択する人の多くは都会から地方へ移住を望む人々です。コロナ渦以降テレワークが主流となる中であえて都会にとどまる必要がないと考え、半農半Xという生き方を選択する人も増えてきています。

「家族がいるからこそ半農半Xを」と考える人もいます。場所にとらわれることなく半農で家族の食糧を確保しつつXでは好きな事を仕事にしてXの稼ぎは必要最低限にして家族との時間を重要視する人も半農半Xを選択している人の中にいます。

半農半Xの最大のメリットはお金ではなく自分の大切にしているもの、やりたいことを重要視し農業とXを通じ本当の意味での心の豊かさを実感できることではないでしょうか。

農業×カフェ

愛知県にお住まいのご夫婦。名古屋市から自然豊かな三河地方に移住し農業とカフェを営んでいる。
お店で提供される料理は店の前の畑で育てた野菜がふんだんに使用されている。
半農半Xのきっかけになったのは移住を決めたこの土地で二人が飢え死にせず生きていくための保険としての野菜作りだった。それが今となっては生活を楽しむためになくてはならない大事なものとなっているそう。

農業×神主

こちらも愛知県にお住まいのご家族。卵の販売とメインとしている農家さんである。
引っ越し先の地域で誘われで始めた神主の仕事は結果として農業の副業として最適だったとのこと。
平日は農業をし、日曜日は神主の仕事をするため農業と神主の時間調整は難しくないとのこと。
なによりも心掛けているのは家族との時間を作ること。早朝家族が寝ている時間に農作業を終わらせて「おはよう」ということを大切にしているそう。

こちらの実例の紹介は【あいちdeニューノーマルの選択肢、半農半Xな暮らしガイドー買うからつくるへー】から一部抜粋させていただいております。他にもたくさんの方の実例が掲載されていますのでこちらからご覧ください。

わたしも記事読ませていただきましたが、実際お会いしたことないにも関わらず本当の意味での心豊かな暮らしを送っていらっしゃるんだなと感じました。

半農半Xのデメリット

心の豊かさと求める人にとってはまさに理想とも言える半農半Xですが失敗を避けるために知っておくべき注意点もあります。

・以前と同じ生活水準を維持するのは難しい
・家族の理解を得られない(収入面において特に)
・農作業がうまくいくとは限らない

一番の不安面といえばやはり以前よりも収入が下がる可能性が高いということでしょう。
家族ともに半農半Xに挑戦する場合、ライフスタイルの変化もあるので以前と同じ生活水準を求めるのは難しくなります。
しっかりと半農半Xについて理解してもらう必要があります。

また、作物を育てたことがない場合、農業をサポートしてくれる人を確保しておく必要があります。
「半農」ということもあり、農業で成果を得る必要があるため身近にサポートしてくれる人を見つけておきましょう。

収入面の不安や農業についての不安は各自治体の支援をフルに活用することで失敗のリスクや不安を軽減させることができます。事前体験会など行っている自治体もあるので家族で参加すれば実際の生活をイメージしやすくなり想像とのギャップが少なくなるでしょう。

まとめ

生きていく上でお金を稼ぐことは大切ですがそれだけで豊かな人生が送れるわけではありません。
コロナ渦以降様々なライフスタイルの可能性が見えてきた中で「農」を取り入れた半農半Xもまたひとつのライフスタイルです。

半農半Xの実践者は「農×好きなこと」の暮らしを送っている人が多くいました。
「X」はなににもとらわれないので可能性は無限大ですね。
収入より心の豊かさに重きを置いた生活を実現するために半農半Xに注目してみてはいかがでしょうか。

ライフスタイルはひとつじゃない。自分にあった最適なライフスタイルを。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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