“農”がもたらす心理的効果

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日本で精神疾患を抱え治療を受けている人は400万人を超すとも言われています。日常的なストレスや新型コロナウィルスなどの様々な要因で不安を多く感じている人も多く「ストレス社会」と言われる現代ですが、今回は農作業がもたらすストレス解消効果についてご紹介していきます。

今回の目次はこちら

園芸療法

第二次世界大戦後の1950年台からアメリカ合衆国や欧米でから始まった園芸療法は心や体を病んだ人たちのリハビリテーションとして園芸活動をセラピーの手段として始まったものです。

主な7つの効果

  • 世話をした植物の成長や収穫を楽しむことができる
  • 水やりや間引きをするなどの役割活動ができる
  • 植物の成長度合いや水やりの時間などを把握する機会ができる
  • 植物を育てることで不安やうつ症状を和らげることができる
  • 主体的に声をかけるなど、他者との関わりが増える
  • 収穫した野菜で調理など日常生活の動作をする機会が増える
  • 植物の成長や気温といった季節感が目覚める

植物を日々育てることで自分の役割が増えたり軽作業をすることによって体力づくりにも効果的のため、認知症のケアとしても取り入れられています。
植物を育て、育てた野菜を調理して食べることによって視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚のすべてが刺激されるので五感をリフレッシュさせることができます。

視覚:風にそよぐ様子、四季の変化を目で感じ取る
聴覚:鳥のさえずりや虫の鳴き声、木々のそよぐ音
嗅覚:植物が発する香り
味覚:ハーブティや収穫物の味
触覚:土の感触、みずの冷たさ

日々の生活で五感をリフレッシュさせることは意識的に行わないとなかなかできないですよね。
適度な運動にもなり、それが習慣づくことによって新陳代謝が高まり快眠導入をもたらします。
実際にこのような療法の効果が立証されているので「ちょっと疲れたかも…」と思ったときは植物に触れてみて癒されてみてはいかがでしょうか。

アーシング

「アーシング」と初めて聞く言葉かもしれませんが、冷蔵庫やテレビなどの家電を「アース」に接続するのと同じです。人間も知らず知らずの間に静電気が蓄積されています。日々蓄積される静電気を放出しないと帯電していまい、慢性炎症、血流の滞り、肩こり、不眠などの原因になります。
やり方は簡単。裸足になって土や草むらを歩くだけです。芝生の上で寝転がっても良し。

パソコン作業が多いとすぐ肩こりになったり不眠になったりしていませんか?
アーシングはピリピリとした交感神経からゆるりと緩んだ副交感神経モードにしてくれます。
家電と同じように人も毎日アースしたほうが良いので近くの公園で恥ずかしがらずアースしてみてください。

「土に触れると癒される」メカニズム

庭仕事などで土に触れ、ふと癒された経験はありませんか?
この作用には土壌に含まれる細菌が関連しているのかもしれません。

土のなかのバクテリア

土の中には多くのバクテリアが存在します。そのなかにあるある種のバクテリアには脳内神経伝達物質の1つでもあるセロトニンを増やす働きがあるということが研究の結果で分かっているようなんです。

セロトニンは幸せホルモンとも言われていますが、人にやる気を起こさせると同時に不安な気持ちを抑制する働きがあることで知られています。

ガーデニングや農作業で土を掘り起こしたり土に触れることでこのバクテリアを吸い込むことにより、セロトニンを増やすことができるというわけです。

もちろんガーデニングや農作業のみならず、キャンプやアウトドア活動でも土に触れる機会さえあれば同じ効果が期待できます。どんな活動であれ、土に触れることは私たち人間にとってとても有益なのです。

子どもの健康にもメリット

農場で育った子どもは他の場所で育った子どもより喘息にかかる割合が30%~50%低いというデータがあるそうです。土や農場から発生する多種多様なバクテリアや細菌類には喘息にかかりにくくする効果があると言われています。

赤ちゃんの頃に動物園に連れていくと免疫力が高くなるという噂、聞いたことはありませんか?
実際私も聞いたことがあったので子どもたちが小さいころ、よく動物園に連れていきました。
寝ていたり、まだ目もよく見えていない時期に連れて行っても子どもは楽しいんだろうか…と疑問を抱きながらもせっせと連れて行った記憶があります。

しかしこのようなデータがあるということは免疫力を高める効果がちゃんとあることが分かりました。

なので私のように「赤ちゃんの時に連れて行って意味があるんだろうか…」と疑問を持ってるお母さん、大丈夫です!めちゃくちゃ意味あります!!

コンクリートに囲まれた生活が普通になってしまい、土=汚いだとか、泥まみれになって帰ってきたら「洗濯が大変!」とすぐに考えてしまいがちですが、子どもにとっていいことがたくさんあるのでだまには子どもと一緒に泥んこ遊びをしたりガーデニングを通して土にたくさん触れる機会を積極的に作ってみてはいかがでしょうか。

アグリヒーリングからビジネスへ

アグリヒーリングとは

アグリヒーリングはは園芸療法の一種です。
人間の体は環境変化に対抗するために状態を一定に保って維持する「恒常性」という性質を持っています。ストレスが加わるとこの恒常性が崩れてしまい、体調不良や病気に繋がります。植物を五感で感じることで恒常性に関わるストレスを緩和し、心や体の健康、社会生活における健康の回復をはかる療法です。

6次産業化で社会復帰につなげる

農作業をしてストレス軽減されることは分かってきましたが、社会復帰となるとまた違った壁が立ちはだかります。

6次産業1次産業(生産)×2次産業(加工)×3次産業(販売)
このすべてをかけあわせた産業

農作物を作り、それを加工して販売する。このすべてを一貫したものが6次産業です。
農業を通して、美しい牧歌的な雰囲気といった情緒的に働く要素に加え、都市生活者に還元する価値やそこに生まれる新たな利益を農業者に還元する仕組みが社会復帰の一歩にもなります。

まとめ

農作業はがもたらす癒し効果は様々な機関で研究されています。
コロナ渦で“蜜”回避とストレスを抱える今だからこそ、農業の価値を再認識できたらいいなと思います。
農業にほど遠い仕事をしている方でもストレス解消の一つとして土に触れる機会を持ってくれたら嬉しく思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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